空也

昔から火伏の神様として京都の住民の信仰を集める愛宕神社
その愛宕山頂に向かう裏参道の中腹に、今にも朽ち果てそうな風情の月輪寺がある。
険しい山道を延々と歩いていくしかないこの隠れ寺に、六波羅蜜寺のものとは違う
もうひとつの「空也上人立像」が安置されている。
服装や持ち物、大きさはほぼ同じだが、六波羅の空也上人が祈るような穏やかな表情なのに対し、
月輪寺の上人は眼光鋭く荒々しい情念が強く感じられる。
口から吹き出る六体の仏像は、六波羅が一線上に六体並んでいるのに対し、
月輪寺の上人は三体ずつ二方向に吹き出ている。
写実的な完成度は六波羅には及ばないもののなぜか心魅かれる一体だ。


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