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「濡髪大明神」は、知恩院の広大な境内の北東の地にひっそりと佇んでいます。

江戸初期、知恩院32世の霊巖(れいがん)上人の枕元に濡れた姿ですすり泣く童子が現れました。童子は、昔から境内に住んでいた白キツネで、御影堂が建設されたために棲家をなくしたといいます。あわれに思った上人は、童子のためにねぐらをつくってやりました。後日再び現れた童子は、お礼に知恩院を火災から守ることを誓い、その証拠に御影堂の軒下に傘をおいていきました。

これが有名な知恩院七不思議のひとつ御影堂軒裏の「忘れ傘」だと言い伝えられています。

上人はその童子を濡髪童子と名づけ、濡髪大明神としてお祀りしたのだそうです。