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下京区堺町通松原下る鍛冶屋町にあります。
この格子戸の奥、細長い露地の突き当りにある小さな神社が、命婦稲荷社
(みょうぶいなりしゃ)です。

そして、神社の傍らにある井戸が「鉄輪の井」として知られる伝説の井戸なのです。


誰がこんな細い路地奥に伝説の遺跡があるとと思うでしょうか?







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伝説
その昔、ある女が、自分を捨てて後妻を娶った夫を恨んで、夫とその後妻を呪い殺そうと、毎夜貴船神社で丑刻詣(うしのこくまいり)をしておりました。

鉄輪を頭にのせ3本の足に火を灯しその形相は鬼と化していました。

しかし哀れこの女は満願成就の日を前に過労から力尽きてこの「鉄輪の井」の辺りで亡くなったということです。
このような言い伝えから、「鉄輪の井」は「縁切り井戸」として、井戸水を汲んで相手に飲ませると、悪縁が切れるとの俗信が広まり、遠くから井戸水を汲むために来る者もあったということです。(もう井戸は枯れています)